漢和辞典で詩韻を調べる(2)

前回は文字「情」の韻を漢和辞典で調べました。

その結果、文字「情」は平声(下平声)庚韻であることがわかりました。

今回は、文字「中」について同じ要領で漢和辞典を調べてみます。

「中」の字を調べてみる

角川の「字源」を使って「中」という字を調べると次のように出ています。

文字「中」ー『字源』より

このとき赤い四角で囲まれている部分に注目します。「中」の文字は平声(上平声)東韻去声送韻の二種類の韻を持っていることがわかります。

このとき、それぞれの韻の前に丸数字で(一)と(二)が付番されています。これは意味の部分の赤丸と対応しています。つまり、(一)「なか、うち」の意味の場合が東韻で、(二)「あたる、あつ」の意味の場合は送韻になることを表しています。

前回の「情」の文字は庚韻ひとつだけでしたが、今回の「中」の文字には二つの韻があり、しかもそれぞれ意味によって韻が異なることがわかりました。

このように漢字には韻がひとつだけの場合と、二つ以上の韻を持つ場合があります。

今回取り上げた「中」には、「東韻」と「送韻」があり、それぞれ意味によって使い分けがあることがわかりました。次回は、この複数の韻を持つ文字について、もう少し調べてみたいと思います。


今回のキーワード

字源,平声,上平声,下平声,去声,庚韻,東韻,送韻


今回の独習で使用したテキスト

簡野道明(著)(1955年)『増補 字源』角川書店

投稿者: 滄洲

趣味で漢詩を作ったり、三体詩や聯珠詩格などの詩集、論語や老子などの漢文を読んだりしている「滄洲」と言います。 よろしくお願いします。