漢詩作法入門講座

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漢詩の構造 - 漢詩の基礎

漢詩に五言、七言といった形式があることは 「漢詩の形式」で既に説明しましたが、ここでは、この五言、七言がどのような構造になっているのかについて説明します。また、このことは漢詩を読む場合の基本ともなります。では、次の詩を見てください。

「偶成」少年易老學難成。一寸光陰不可輕。未覺池塘春草夢。階前梧葉已秋聲。
作 者

朱熹(シュキ)=(1130〜1200)。南宋の儒学者。字は元晦(ゲンカイ)または仲晦。号は晦庵(カイアン)。おくり名は文公。朱子。

読み方

偶成(グウセイ)

少年(ショウネン)、老(オ)い易(ヤス)く、学(ガク)(ナ)り難(ガタ)し。一寸(イッスン)の光陰(コウイン)、軽(カロ)んず可(ベ)からず。

(イマ)だ覚(サ)めず、池塘(チトウ)、春草(シュンソウ)の夢(ユメ)。階前(カイゼン)の梧葉(ゴヨウ)、已(スデ)に秋声(シュウセイ)

語 釈

少年易老学難成=若者もすぐに年老いてしまうが、学問はなかなか成功しない。一寸光陰不可軽=わずかな時間も軽視してはいけない。光陰は時の流れることを意味する。

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この詩は、朱熹の作った「偶成」という題の七言絶句です。七言絶句は、一句、七文字の四句から構成されています。 この一句(七文字)はさらにつぎのような規則によって構成されています。

「二字と二字と三字」

すなわち、上の詩を分解すると、

「少年」・「易老」・「学難成」
「一寸」・「光陰」・「不可軽」
「未覚」・「池塘」・「春草夢」
「階前」・「梧葉」・「已秋声」

となります。また、三字のグループは、二字と一字の組合わせになっています。

「学」・「難成」
「不可」・「軽」
「春草」・「夢」
「已」・「秋声」

このように、漢詩では二字の熟語(これを詩語という)が基本となり、 「二字と一字」、「二字と二字」のように組合わされて構成されています。そのため、漢詩を読む場合の第一歩としては、七言ならば「二字と二字と三字」、 五言ならば「二字と三字」という具合に区切って読みます。では、次の詩を見てみましょう。

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「金州城外作」山川草木轉荒涼。十里風腥新戰場。征馬不前人不語。金州城外立斜陽。
作 者

乃木希典(ノギ マレスケ)=(1130〜1200)。=名は希典、号は石樵、また石林子。父は長州藩士。藩学明倫館に学び、奇兵隊に属し、長州征伐に参戦する。明治四年陸軍少佐、二十七年日清戦争に歩兵第一旅団長として出征、二十八年陸軍中将、三十七年日露戦争には第三軍司令官として旅順に向い、その後陸軍大将となる。明治四十五年、明治天皇の御大葬当日、自刃し殉死する。年六十四。

読み方

金州城外(キンシュウジョウガイ)の作(サク)

山川(サンセン)、草木(ソウモク)、 転(ウタ)た荒涼(コウリョウ)。十里(ジュウリ)、風(カゼ)は腥(ナマグサ)し、新戦場(シンセンジョウ)

征馬(セイバ)、前(スス)まず、人(ヒト)(カタ)らず。金州城外(キンシュウジョウガイ)、斜陽(シャヨウ)に立(タ)つ。

語 釈

金州城外作=金州は地名。城外は町はずれ。城下に同じ。城は日本の城のようにひとつの建物ではなく、城郭、すなわち町を指す。詩題は、他に「金州城作」あるいは「金州城下作」となっている文献もある。山川草木=山と川。草と木。転荒涼=転はいよいよ。新戦場=新しき戦場。征馬=軍馬。不前=前に進まない。斜陽=夕陽に同じ。

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この詩の第四句目にある「金州城外」も「金州」と「城外」と解釈すれば、「二字と二字」になっていますが、「金州城」を固有名詞と解釈すると「三字と一字」となり、「二字と二字と三字」のルールからはずれているように見えます。しかし、実際には、ルールからはずれていると考えるのではなく、「二字と二字」から構成される語は「四字」の熟語と考えて、「二字と二字と三字」の一変形として「四字と三字」になったと考えます。

このような変化は数多くありますから各自で研究してみてください。また、大家の作品には、変化を狙って故意にこのルールは破ったものがあるので注意してください。しかしながら、我々初心者は、最初のうちは、このルールを守って作詩した方が良いでしょう。

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