漢詩作法入門講座

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第二十八章〜第三十三章

第二十八章

子曰。愚而好自用。賤而好自專。生乎今之世。反古之道。如此者。烖及其身者也。

(し)(のたま)はく。愚(おろ)かにして自(みずか)ら用(もち)いることを好(この)み、賎(いや)しくして自(みずか)ら専(もっぱ)らにすることを好(この)み、今(いま)の世(よ)に生(う)まれて、古(いにしえ)の道(みち)に反(かえ)る。此(かく)の如(ごと)き者(もの)は、烖(わざわ)い其(そ)の身(み)に及(およ)ぶ者(もの)なり。

非天子。不議禮。不制度。不考文。

天子(てんし)に非(あら)ざれば礼(れい)を議(ぎ)せず。度(ど)を制(せい)せず。文(ぶん)を考(かんが)えず。

今天下。車同軌。書同文。行同倫。

(いま)天下(てんか)、車(くるま)は軌(き)を同(おな)じくし、書(しょ)は文(ぶん)を同(おな)じくし、行(おこな)いは倫(りん)を同(おな)じくす。

雖有其位。苟無其德。不敢作禮樂焉。雖有其德。苟無其位。亦不敢作禮樂焉。

(そ)の位(くらい)(あ)りと雖(いえど)も、苟(いやし)くも其(そ)の徳(とく)(な)ければ、敢(あえ)て礼楽(れいがく)を作(つく)らず。其(そ)の徳(とく)(あ)りと雖(いえど)も、苟(いやし)くも其(そ)の位(くらい)(な)ければ、亦(また)(あえ)て礼楽(れいがく)を作(つく)らず。

子曰。吾説夏禮。杞不足徴也。吾學殷禮。有宋存焉。吾學周禮。今用之。吾從周。

(し)(のたま)はく。吾(われ)(か)の礼(れい)を説(と)けども、杞徴(きちょう)するに足(た)らざるなり。吾(われ)(いん)の礼(れい)を学(まな)ぶ。宋(そう)の存(そん)する有(あ)り。吾(われ)(しゅう)の礼(れい)を学(まな)ぶ。今(いま)(これ)を用(もち)う。吾(われ)は周(しゅう)に従わん。

右第二十八章

(みぎ)第二十八章(だいにじゅうはちしょう)

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第二十九章

王天下有三重焉。其寡過矣乎。

天下(てんか)に王(おう)たるに三重(さんちょう)(あ)り。其(そ)れ過(あやま)ち寡(すくな)からん乎(か)

上焉者。雖善無徴。無徴不信。不信民弗從。下焉者。雖善不尊。不尊不信。不信民弗從。

(かみ)たる者(もの)(ぜん)と雖(いえど)も徴(ちょう)(な)し。徴(ちょう)(な)ければ信(しん)ぜられず。信(しん)ぜざれば民(たみ)(したが)わず。下(しも)たる者(もの)(ぜん)と雖(いえど)も尊(たっと)からず。尊(たっと)からざれば信(しん)ぜられず。信(しん)ぜざれば民(たみ)(したが)わず。

故君子之道。本諸身。徴諸庶民。考諸三王而不繆。建諸天地而不悖。質諸鬼神而無疑。百世以俟聖人而不惑。

(ゆえ)に君子(くんし)の道(みち)は、諸(これ)を身(み)に本(もと)づきて、諸(これ)を庶民(しょみん)に徴(ちょう)とし、三王(さんおう)に考(かんが)えて繆(あやま)らず、天地(てんち)に建(た)てて悖(もと)らず、諸(これ)を鬼神(きしん)に質(ただ)して疑(うたが)い無(な)く、百世(ひゃくせい)(もつ)て聖人(せいじん)を俟(ま)ちて惑(まど)わず。

質諸鬼神而無疑。知天也。百世以俟聖人而不惑。知人也。

(これ)を鬼神(きしん)に質(ただ)して疑(うたが)い無(な)きは、天(てん)を知(し)るなり。百世(ひゃくせい)(もつ)て聖人(せいじん)を俟(ま)ちて惑(まど)わざるは、人(ひと)を知(し)るなり。

是故君子動而世爲天下道。行而世爲天下法。言而世爲天下則。遠之則有望。近之則不厭。

(こ)の故(ゆえ)に君子(くんし)は動(うど)きて世(よよ)天下(てんか)の道(みち)と為(な)り、行(おこな)いて世(よよ)天下(てんか)の法(ほう)と為(な)り、言(い)いて世(よよ)天下(てんか)の則(のり)と為(な)る。之(これ)に遠(とお)ければ則(すなわ)ち望(のぞ)むこと有(あ)り。之(これ)に近(ちか)ければ則(すなわ)ち厭(いと)わず。

詩曰。在彼無惡。在此無射。庶幾夙夜。以永終譽。君子未有不如此而蚤有譽於天下者也。

(し)に曰(いわ)く、「彼(かれ)に在(あ)りても悪(にく)まるること無(な)く、此(ここ)に在(あ)りても射(いと)わるること無(な)し。庶幾(こいねが)わくば夙夜(しゅくや)(もつ)て永(なが)く誉(ほま)れを終(お)えん」と。君子(くんし)(いま)だ此(かく)の如(ごと)くならずして、蚤(はや)く天下(てんか)に誉(ほま)れ有(あ)る者(もの)は有(あ)らざるなり。

右第二十九章

(みぎ)第二十九章(だいにじゅうきゅうしょう)

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第三十章

仲尼祖述堯舜。憲章文武。上律天時。下襲水土。

仲尼(ちゅうじ)、堯(ぎょう)(しゅん)を祖述(そじゅつ)し、文武(ぶんぶ)を憲章(けんしょう)す。上(かみ)天時(てんじ)に律(のっと)り、下(しも)水土(すいど)に襲(よ)る。

辟如天地之無不持載。無不覆幬。辟如四時之錯行。如日月之代明。

(たと)えば天地(てんち)の持載(じさい)せざる無(な)く、覆幬(ふくとう)せざる無(な)きが如(ごと)し。辟(たと)えば四時(しいじ)の錯(たが)いに行(おこな)わるるが如(ごと)く、日月(じつげつ)の代(か)わるがわる明(あき)らかなるが如(ごと)し。

萬物並育而不相害。道並行而不相悖。小德川流。大德敦化。此天地之所以爲大也。

万物(ばんぶつ)(なら)び育(やしな)われて相(あい)(そこな)わず。道(みち)(なら)び行(おこな)われて相(あい)(もと)らず。小徳(しょうとく)は川流(せんりゅう)し、大徳(たいとく)は敦化(とんか)す。此(こ)れ天地(てんち)の大(だい)なりと為(な)る所以(ゆえん)なり。

右第三十章

(みぎ)第三十章(だいさんじつしょう)

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第三十一章

唯天下至聖。爲能聰明睿知。足以有臨也。寛裕溫柔。足以有容也。發強剛毅。足以有執也。齊莊中正。足以有敬也。文理密察。足以有別也。

(ただ)天下(てんか)の至聖(しせい)、能(よ)く聡明(そうめい)叡智(えいち)にして、以(もつ)て臨(のぞ)む有(あ)るに足(た)り、寛裕(かんゆう)温柔(おんじゅう)、以(もつ)て容(い)るること有(あ)るに足(た)り、発強(はっきょう)剛毅(ごうき)、以(もつ)て執(と)ること有(あ)るに足(た)り、斉荘(さいそう)中正(ちゅうせい)、以(もつ)て敬(けい)すること有(あ)るに足(た)り、文理(ぶんり)密察(みっさつ)、以(もつ)て別(べつ)(あ)るに足(た)ると為(な)す。

溥博淵泉。而時出之。

溥博(ふはく)淵泉(えんせん)にして時(とき)に之(これ)を出(い)だす。

溥博如天。淵泉如淵。見而民莫不敬。言而民莫不信。行而民莫不説。

溥博(ふはく)は天(てん)の如(ごと)く、淵泉(えんせん)は淵(ふち)の如(ごと)し。見(あら)われて民(たみ)(けい)せざること莫(な)く、言(い)いて民(たみ)(しん)ぜざること莫(な)く、行(おこな)いて民(たみ)(よろこ)ばざること莫(な)し。

是以聲名洋溢乎中國。施及蠻貊。舟車所至。人力所通。天之所覆。地之所載。日月所照。霜露所隊。凡有血氣者。莫不尊親。故曰配天。

(これ)を以(もつ)て声名(せいめい)中国(ちゅうごく)に洋溢(よういつ)して、施(し)きて蛮貊(ばんぱく)に及(およ)ぶ。舟車(しゅうしゃ)の至(いた)る所(ところ)、人力(じんりき)の通(つう)ずる所(ところ)、天(てん)の覆(おお)う所(ところ)、地(ち)の載(の)する所(ところ)、日月(じつげつ)の照(て)らす所(ところ)、霜露(そうろ)の隊(お)つる所(ところ)、凡(およ)そ血気(けっき)(あ)る者(もの)、尊親(そんしん)せざる莫(な)し。故(ゆえ)に天(てん)に配(はい)すと曰(い)う。

右第三十一章

(だい)第三十一章(だいさんじゅういつしょう)

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第三十二章

唯天下至誠。爲能經綸天下之大經。立天下之大本。知天地之化育。夫焉有所倚。

(ただ)天下(てんか)の至誠(しせい)、能(よ)く天下(てんか)の大経(たいけい)を経綸(けいりん)し、天下(てんか)の大本(たいほん)を立(た)て、天地(てんち)の化育(かいく)を知(し)ることを為(な)す。夫(そ)れ焉(いずくん)ぞ倚(よ)る所(ところ)(あ)らん。

肫肫其仁。淵淵其淵。浩浩其天。

肫肫(じゅんじゅん)たる其(そ)の仁(じん)、淵淵(えんえん)たる其(そ)の淵(ふち)、浩浩(こうこう)たる其(そ)の天(てん)

苟不固聰明聖知達天德者。其孰能知之。

(いやしく)も固(まこと)に聡明(そうめい)聖知(せいち)にして、天徳(てんとく)に達(たつ)する者(もの)ならざれば、其(そ)れ孰(たれ)か能(よ)く之(これ)を知(し)らん。

右第三十二章

(みぎ)第三十二章(だいさんじゅうにしょう)

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第三十三章

詩曰。衣錦尚絅。惡其文之著也。故君子之道。闇然而日章。小人之道。的然而日亡。君子之道。淡而不厭。簡而文。溫而理。知遠之近、知風之自。知微之顯。可與入德矣。

(し)に曰(いわ)く、「錦(にしき)を衣(き)て、絅(けい)を尚(く)わう」と。其(そ)の文(ぶん)の著(あら)わなることを悪(にく)みてなり。故(ゆえ)に君子(くんし)の道(みち)は、闇然(あんぜん)として日(ひ)に章(あきら)かなり。小人(しょうじん)の道(みち)は、的然(てきぜん)として日(ひ)に亡(ほろ)ぶ。君子(くんし)の道(みち)は、淡(あわ)くして厭(いと)わず、簡(かん)にして文(ぶん)、温(おん)にして理(り)なり。遠(とお)きが近(ちか)きを知(し)り、風(かぜ)の自(よ)ることを知(し)り、微(び)の顕(けん)なることを知(し)り、与(とも)に徳(とく)に入(い)る可(べ)し。

詩云。濳雖伏矣。亦孔之昭。故君子内省不疚。無惡於志。君子之所不可及者。其唯人之所不見乎。

(し)に云(いわ)く、「潜(かく)れて伏(ふ)せりと雖(いえど)も、亦(また)(はなは)だ之(これ)(あきら)かなり」と。故(ゆえ)に君子(くんし)は内(うち)に省(かえり)みて疚(やま)しからざれば、志(こころざし)に悪(にく)むこと無(な)し。君子(くんし)の及(およ)ぶ可(べ)からざる所(ところ)の者(もの)は、其(そ)れ唯(ただ)(ひと)の見(み)ざる所(ところ)(か)

詩云。相在爾室。尚不愧于屋漏。故君子不動而敬。不言而信。

(し)に云(いわ)く、「爾(なんじ)が室(しつ)に在(あ)るを相(み)るに、尚(こいねがわ)くは屋漏(おくろう)にも愧(は)じず」と。故(ゆえ)に君子(くんし)は動(うご)かずして敬(けい)し、言(い)わずして信(しん)あり。

詩曰。奏假無言。時靡有爭。是故君子不賞而民勸。不怒而民威於鉄鉞。

(し)に曰(いわ)く、「奏(すす)み假(いた)りて言(い)うこと無(な)し。時(とき)に争(あらそ)うこと有(あ)ること靡(な)し」と。是(こ)の故(ゆえ)に君子(くんし)は賞(しょう)ぜられども民(たみ)(すす)む。怒(いか)らざれども民(たみ)鉄鉞(ふえつ)よりも威(おそ)る。

詩曰。不顯惟德。百辟其刑之。是故君子篤恭而天下平。

(し)に曰(いわ)く、「顕(あらわ)れざらんや惟(こ)れ徳(とく)、百辟(ひゃくへき)(そ)れ之(これ)に刑(のっと)る」と。是(こ)の故(ゆえ)に君子(くんし)は篤恭(とくきょう)にして天下(てんか)(たいら)かなり。

詩云。予懷明德。不大聲以色。子曰。聲色之於以化民。末也。詩曰。德輶如毛。毛猶有倫。上天之載。無聲無臭。至矣。

(し)に云(いわ)く、「予(われ)明徳(めいとく)を懐(おも)い、声(こえ)と色(いろ)を大(だい)にせず」と。子(し)(のたま)はく、「声色(せいしょく)の以(もつ)て民(たみ)に化(か)するに於(お)けるは、末(すえ)なり」と。詩(し)に曰(いわ)く、「徳(とく)の輶(かろ)きこと毛(け)の如(ごと)し」と。毛(け)は猶(なお)(りん)(あ)り。上天(じょうてん)の載(こと)は、声(こえ)も無(な)く臭(か)も無(な)し。至(いた)れり。

右第三十三章。子思因前章極致之言。反求其本。復自下學爲己謹獨之事。推而言之。以馴致乎篤恭而天下平之盛。又贊其妙。至於無聲無臭而後已焉。蓋擧一篇之要而約言之。其反復丁寧示人之意。至深切矣。學者其可不盡心乎。

(みぎ)第三十三章(だいさんじゅうさんしょう)。子思(しし)、前章(ぜんしょう)極致(きょくち)の言(げん)に因(よ)り、反(かえ)って其(そ)の本(もと)を求(もと)め、復(また)下学(かがく)(おのれ)が為(ため)にし独(ひと)りを謹(つつし)むの事(こと)(よ)り、推(お)して之(これ)を言(い)いて、以(もつ)て篤恭(とくきょう)にして天下(てんか)(たいら)かなるの盛(さか)んなるに馴致(じゅんち)す。又(また)(そ)の妙(みょう)を賛(さん)して、声(こえ)も無(な)く臭(か)も無(な)きに至(いた)りて後(のち)に已(や)む。蓋(けだ)し一篇(いっぺん)の要(よう)を挙(あ)げて約(やく)して之(これ)を言(い)う。其(そ)の反復(はんぷく)丁寧(ていねい)、人(ひと)に示(しめ)すの意(い)、至(いた)りて深切(しんせつ)なり。学者(がくしゃ)(そ)れ心(こころ)を尽(つ)くさざる可(べ)けん乎(や)

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中庸章句 終

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