漢詩作法入門講座

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老子 第一章〜第九章

『老子』は、『老子道徳経』あるいは『道徳経』とも呼ばれ、「老子」という人物が書いたとされる書であり、『荘子』と並ぶ道家の代表的書物である。著者の「老子」は、中国春秋時代、楚の思想家。姓名を李耳、字は耼といい、「老子」は、その尊称と言われている。不明な部分も多く、実在が疑問視されることもある。三清の一人である太上老君の神名を持つ。

本Webページでは、原文と訓読のみを掲載(素読)します。詳しい解説については、多くの書籍が市販されていますので、そちらの方をお読みください。

また、格言集や名言集などによく掲載されている部分を強調表示しました。

第一章

道可道非常道。名可名非常名。無名天地之始。有名萬物之母。故常無欲以觀其妙。常有欲以觀其徼。此兩者同出而異名。同謂之玄。玄之又玄。衆妙之門。

(みち)の道(みち)とすべきは常(つね)の道(みち)に非(あら)ず。名(な)の名(な)とすべきは常(つね)の名(な)に非(あら)ず。(む)は天地(てんち)の始(はじめ)を名(な)づけ、有(ゆうい)は万物(ばんぶつ)の母(はは)を名(な)づく。故(ゆえ)に常(つね)に無(む)は欲(ほっ)し以(もっ)て其(そ)の妙(みょう)を観(み)、常(つね)に有(ゆう)は欲(ほっ)し以(もっ)て其(そ)の徼(きょう)を観(み)る。此(こ)の両者(りょうしゃ)は同出(どうしゅつ)にして異名(いめい)なり。同(どう)、之(これ)を玄(げん)と謂(い)う。(げん)の又(また)(げん)、衆妙(しゅうみょう)の門(もん)なり。

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第二章

天下皆知美之爲美。斯惡己。皆知善之爲善。斯不善己。故有無相生。難易相成。長短相形。高下相傾。音聲相和。前後相隨。是以聖人處無爲之事。行不言之教。萬物作焉而不辭。生而不有。爲而不恃。功成而弗居。夫唯弗居。是以不去。

天下(てんか)、皆(みな)、美(び)の美(び)(た)るを知(し)る、斯(こ)れ悪(あく)なるのみ。皆(みな)、善(ぜん)の善(ぜん)(た)るを知(し)る、斯(こ)れ不善(ふぜん)なるのみ。故(ゆえ)に有無(うむ)(あい)(しょう)じ、難易(なんい)(あい)(な)し、長短(ちょうたん)(あい)(あらわ)れ、高下(こうげ)(あい)(かたむ)け、音声(おんせい)(あい)(わ)し、前後(ぜんご)(あい)(したが)う。是(ここ)を以(もっ)て聖人(せいじん)無為(むい)の事(こと)に処(お)り、不言(ふげん)の教(おし)えを行(おこな)う。万物(ばんぶつ)(おこ)りて辞(じ)せず、生(しょう)じて有(ゆう)せず、為(な)して恃(たの)まず、功(こう)(な)りて居(お)らず、夫(そ)れ唯(ただ)(お)らず、是(ここ)を以(もっ)て去(さ)らず。

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第三章

不尚賢。使民不爭。不貴難得之貨。使民不爲盗。不見可欲。使心不亂。是以聖人之治。虛其心。實其腹。弱其志。強其骨。常使民無知無欲。使夫知者不敢爲也。爲無爲則無不治。

(けん)を尚(たっと)ばざれば、民(たみ)をして争(あらそ)わざらしむ。得(え)(がた)きの貨(たから)を貴(たっと)ばざれば、民(たみ)をして盗(とう)と為(な)さざらしむ。欲(ほっ)すべきを見(み)ざれば、心(こころ)をして乱(みだ)れざらしむ。是(ここ)を以(もっ)て聖人(せいじん)の治(ち)は、(そ)の心(こころ)を虚(むな)しくして、其(そ)の腹(はら)を実(み)たし、其(そ)の志(こころざし)を弱(よわ)くして、其(そ)の骨(ほね)を強(つよ)くす。(つね)に民(たみ)をして無知(むち)無欲(むよく)ならしめ、夫(か)の知者(ちしゃ)をして敢(あえ)て為(な)さざらしむるなり。無為(むい)を為(な)せば則(すなわ)ち治(おさ)まらざること無(な)し。

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第四章

道冲而用之。或不盈。淵兮似萬物之宗。挫其鋭。解其紛。和其光。同其塵。湛兮似或存。吾不知誰之子。象帝之先。

(みち)は冲(ちゅう)にして之(これ)を用(もち)い、或(あるい)は盈(み)たず。淵(えん)として万物(ばんぶつ)の宗(そう)に似(に)たり。(そ)の鋭(えい)を挫(くじ)き、其(そ)の紛(ふん)を解(と)き、其(そ)の光(ひかり)を和(やわ)らげ、其(そ)の塵(ちり)に同(おな)じくす。(たん)として或(あるい)は存(そん)するに似(に)たり。吾(わ)れ誰(たれ)の子(こ)なるかを知(し)らず、帝(てい)の先(せん)に象(かたど)れり。

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第五章

天地不仁。以萬物爲芻狗。聖人不仁。以百姓爲芻狗。天地之間。其猶槖籥乎。虛而不屈。動而愈出。多言數窮。不如守中。

天地(てんち)は仁(じん)ならず、万物(ばんぶつ)を以(もっ)て芻狗(すうく)と為(な)す。聖人(せいじん)は仁(じん)ならず、百姓(ひゃくせい)を以(もっ)て芻狗(すうく)と為(な)す。天地(てんち)の間(かん)は、其(そ)れ猶(なお)槖籥(たくやく)のごときか。虚(きょ)にして屈(くっ)せず、動(うご)いて愈(いよいよ)(い)だす。多言(たげん)なれば数(しば)しば窮(きゅう)、中(ちゅう)を守(まも)るに如(し)かず。

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第六章

谷神不死。是謂玄牝。玄牝之門。是謂天地之根。綿綿若存。用之不勤。

谷神(こくしん)は死(し)せず、是(これ)を玄牝(げんぴん)と謂(い)う。玄牝(げんぴん)の門(もん)、是(これ)を天地(てんち)の根(こん)と謂(い)う。綿綿(めんめん)として存(そん)するが若(ごと)し、之(これ)を用(もち)いて勤(つと)めず。

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第七章

天長地久。天地所以能長且久者。以其不自生故能長生。是以聖人後其身而身先。外其身而身存。非以其無私耶。故能成其私。

(てん)は長(なが)く地(ち)は久(ひさ)し。天地(てんち)の能(よ)く長(なが)く且(か)つ久(ひさ)しき所以(ゆえん)の者(もの)は、其(そ)の自(みずか)ら生(しょう)ぜざるを以(もっ)て、故に(ゆえに)(よく)く長生(ちょうせい)す。是(ここ)を以(もっ)聖人(せいじん)は其(そ)の身(み)を後(あと)にして、而(しか)して身(み)は先(さき)にし、其(そ)の身(み)を外(そと)にして、而(しか)して身(み)は存(そん)す。(そ)の私(わたくし)(な)きを以(もっ)てするに非(あらず)ずや、故(ゆえ)に能(よ)く其(そ)の私(わたくし)を成(な)す。

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第八章

上善若水。水善利萬物而不爭。處衆人之所惡。故幾于道。居善地。心善淵。與善仁。言善信。政善治。事善能。動善時。夫唯不爭。故無尤。

上善(じょうぜん)は水(みず)の若(ごと)し。(みず)は善(よ)く万物(ばんぶつ)を利(り)して而(しか)も争(あらそ)わず、衆人(しゅうじん)の悪(にく)む所(よころ)に処(お)る、故(ゆえ)に道(みち)に幾(ちか)し。居(きょ)は地(ち)を善(よ)くし、心(しん)は淵(えん)を善(よ)くし、与(とも)は仁(じん)を善(よ)くし、言(げん)は信(しん)を善(よ)くし、政(せい)は治(ち)を善(よ)くし、事(こと)は能(のう)を善(よ)くし、動(どう)は時(とき)を善(よ)くす。夫(そ)れ唯(ただ)(あらそ)わず、故(ゆえ)に尤(とが)(な)し。

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第九章

持而盈之。不如其已。揣而鋭之。不可長保。全玉滿堂。莫之能守。富貴而驕。自遺其咎。功遂身退。天之道。

(じ)して之(これ)を盈(み)たすは、其(そ)の已(や)むるに如(し)かず。揣(し)して之(これ)を鋭(するど)くすれば、長(なが)く保(たも)つ可(べ)からず、全玉(きんぎょく)、堂(どう)に満(み)つれば、之(これ)を能(よ)く守(まも)る莫(な)く、富貴(ふき)にして驕(おご)れば、自(みずか)ら其(そ)の咎(とが)を遺(のこ)す。功(こう)(と)げて身(み)退(しりぞ)くは、天(てん)の道(みち)なり。

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次へ「老子(第十章〜第十八章)」

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